【大学入試の面接対策】評価ポイントは?
大学受験における面接は「自分自身をプレゼンし、評価を受ける」場です。マナーや振る舞いは重要ですが、それだけでは期待通りの評価を得られないかもしれません。難関大学の面接官(教授陣)は、あなたが想像している以上に「受験生の思考の深さ&プロセス」を見ているからです。表面的な対策だけでは評価が得られにくいのは、ここに理由があります。確かに思考の深さと論理的な道筋を、面接の場で発揮するのは難しい事です。初対面の面接官を前に、冷静かつ論理的に説明するのは簡単ではありません。実際に「予想外の質問をされ思考停止してしまった。何も答えられなくなり沈黙してしまった」「緊張して面接官の質問が聞き取れず、あわてて適当に答えてしまった」などと、受験生の感想を目にすることも少なくないでしょう。
☺『面接官の質問が聞き取れず、質問の意図が分からなかったりもしました。聞き返すことができず、こうかな?と勝手に解釈して回答してて事なきを得たのですが見当違いなことを言わないように聞き返すことも大切です。(慶應義塾大学合格 Iさん)
しかし、面接試験の本質を理解し適切な準備をコツコツと積み重ねていくならば、突破口が見えてきます。試験会場の緊張した雰囲気の中でも、ミスを最小限に防ぎ乗り切ることができるようになります。「正しい努力」は改善のサイクルを生み出し、成果に結びつくものだからです。
今回は、多くの受験生を指導してきた経験と生成AIの普及に合わせ、これからの大学入試の面接で重視されやすい 【基本のチェックポイント】を4つ解説します。面接は合否を決定する最後の評価ポイントです。ここまでの努力を無駄にすることがないよう、学力試験と同様の準備を行い本番に臨んでください。
【3つのポイント】面接官は何を「評価」しているのか?
難関大学の面接において、一般的な面接マナー(服装、清潔感や敬語など)の基本はスタートに過ぎません。あくまでも面接マナーは、全体評価の中の一部。本当に評価が始まるのはそこからです。
ポイント1)アドミッション・ポリシーの理解と合致
大学が求める学生像と、あなたの目指す方向が一致しているか?
アドミッション・ポリシーには「大学が求める学生像」が書かれています。この部分を理解せずに対策をスタートすることは、地図を持たずに未知の場所へ飛び込んでいくようなもの。まずは全体像と基本を理解するべきです。「自分が大学で、何を目指したい(目指そうとしているか)」を考察し、アドミッション・ポリシーと比較・検証してみること。まずは、これが最初の一歩(スタート地点)です。
「この大学が、私に合っているから」では片方のみの視点です。相手(大学)が、どのような教育理念を軸に「どのような学生像」を求めているのか? 両方の視点から考察することで精度が上がります。この考察を通し理解を深め「志望理由書」等に反映させていくのです。面接試験は自己アピールの場ではありますが、同時に「選抜されている」ことも意識に置く必要があります。【関連】面接試験で合格する【3つのポイント】
ポイント2)学問への知的好奇心
なぜ、この大学(学部)なのか?
大学は「社会の問題」に対し「研究(社会・自然・人間などへの学び)」を行う場と考えましょう。つまり「自分が目指すもの(問題)」を「研究」するには何が必要なのかを把握し、だから「それを学べる、この学部に進みたい」と論理的に説明する必要があります。「興味があるから」とか「〇〇学部では△△を学べそうだから」といった、個人的な曖昧な思い込みによる定義でとどまらず「学びの姿勢」を大切に「自分は、何を学びたいか?」を掘り下げておくことです。
時折「就職率が良いから」という志望理由をアピールする受験生がいますが、大学は「学びの場」であり、そこで身につけた知識や経験を活用して社会に貢献していく(就職する)ことが目的のひとつです。就職のためではなく、将来必要になる学びのためにこの大学を選ぶのです。大学は「学びを得る」場所。そして具体的に何を学びたいかを説明できること。この順番を本質的な意味から理解しておきましょう。【関連】合格のカギは「知識」
☺『なぜ他の大学ではなく一橋大学を志望するのか、について深く問われたことです。一橋特有なものについて、大学のウェブサイトに教育理念や大学の考え方、教授が執筆したコラムなどを熟読して対策しました。一橋大学合格 Aさん)』
ポイント3)学びへの姿勢
主体性と、学びへの姿勢
何かを学ぶということは、試行錯誤を繰り返し、時間をかけて学び続ける姿勢が必要になります。時には「その主張は、間違っている」と指摘を受け、根本的なアップデート(方向転換)が必要になる場合もあるでしょう。主体性を確かめつつも、適切な指摘に対し柔軟な思考による「学びの姿勢」を示していくこと。大学は、高校での授業と比較し自分で問いを立て、学ぶ比重が高まります。面接では様々な質問を通して、受験生の姿勢を確認する場であると理解しましょう。(参考)文部科学省が定める「大学入学者選抜に関する最新動向(PDF)」の中にある学力の3要素 【関連】帰国生入試の面接対策
☺『学習相談で「課題をもらうのを待ってるだけじゃいけない、自分で自分の課題を作っていくべき。自分を律する覚悟が必要」と、佐藤先生からお言葉をいただいたとき、自分がいかに今まで受け身であったかに気づかされました。それからはこの言葉を常に意識し課題に取り組みました。(Aさん)』
時代は急速に変化していきます。受身な姿勢で周囲から与えられるのを待っていると、情報に流されてしまいます。主体性を持ち、自分で自分を律する視点を育てながら進んでください。
ポイント4)生成AIが普及した社会で、必要になること
生成AIの普及で、応募書類・志望理由等の作成が容易化。用意した文章だけでは差がつきにくい時代が急速に近づくでしょう。実際に、文部科学省の資料『大学入学者選抜における生成AIの取扱いについて(PDF)』によると、大学側は受験生が生成AIを使って志望理由書や課題を作成してくることを想定しており、それぞれの大学の募集要項に対応方針を明記するよう求めています。
むろんこれは、大学入試の面接だけでなく、その先の就職面接でも、企業側はAI関与を前提に評価を行い、面接の場での「思考、根拠づけ、経験の真偽確認(深掘り質問)」を重視する方向へ進んでいくだろうと、私たちは考えています。だからこそ「面接試験」の本質を理解し知識と知恵を蓄え、リアルな面接の場で問いに向き合い、自分の考えの筋道をその場で示す力の重要性は高まっていくでしょう。
今回は、これから難関大学への受験を目指し、面接対策を始める高校生に向け、基本のポイントを4つ解説しました。「これくらいでいいだろう」ではなく「本当に、これでいいのか?」と疑問を持ちながら謙虚に修正し学び続けていく。正解を検索していくのではなく、答えを思考していくプロセスそのものを、感情ベースではなく論理的にアップデートしていく。
この繰り返しは現状維持を選びがちな私たちにとって、決して簡単なことではありません。しかし、大学受験を通して試みた試行錯誤の時間と体験は、受験の面接対策だけではなく、その先もずっと自分を支えてくれる柱になります。一歩先の世界に視点を向けながら、淡々と進んでいく姿勢を大切にください。
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